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Ⅰ.はじめに
乳幼児水頭症に対する髄液短絡術の遠隔成績に関してはわれわれはその予後調査を行い,先ず患児の術前状態とその予後との関係,即ち予後を規定する因子は何かを追究し14),次にまたその中で術後長期間,いわゆる重症心身障害児として生存していた予後不良例を再検索し,その問題点について追求してきた15).その結果予後不良な症例には最初から如何ともし難い症例も認められるが,その多くは結局手術時期が遅かった事,また術後の患者管理の体制に不備の点があった事等が予後を悪くしているという常識的な点で反省せざるを得なかった.さて術後患者管理の不備という点からは当然術後における各種合併症をも見逃し,それが予後を悪くさせた場合も多い.従ってこれらの合併症をできうる限り早期に発見し,その対策を立てる努力が予後の向上につながる訳である.以上の如き観点に立って,最近の数年間は水頭症患児の術後管理を行ってきているが,合併症の中には,shunt tubeの閉塞および感染等と共に術後の脳血管写上,一側または両側に無血管領野が見出され,開頭の結果硬膜下血腫または水腫が認められる症例が意外に多く存在し,その予後に影響を与えている事が判ってきた.今回はこれらの6症例につき種々検討報告する.
Subdural hematoma after shunt operation in hydrocephalic children have been reported by several authors.
On this report, 6 cases of subdural hematoma or effusion after shunt operation in hydrocephalic infant under 6 years old were presented with special reference to its pathogenesis and treatment.
The age of these 6 cases at the time of shunting procedure ranged from 3 months to 1 year and 6 months after birth.
Two cases of subdural hematoma and 3 cases of subdural effusion with capsule were verified by surgery.
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