- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本号の「扉」には,宮沢隆仁衆議院議員が,「なぜ,脳神経外科医から国会議員へ転身したのか,これからの脳神経外科医療と先生の志」を書かれています.先生には,これからの医療改革における大いなる活躍を期待致します.「合併症のシステマティック・レビュー」では,STA-MCA吻合術がとりあげられています.過灌流症候群はよく知られていますが,その他に心合併症やSTA損傷,吻合部動脈瘤,慢性硬膜下血腫,皮弁壊死や創感染についても詳しくレビューされています.連載「脊椎脊髄手術に必要な基本的知識」では,頚椎後方手術をテーマに,頚椎筋骨格系の解剖とその力学的相互作用を考慮した縦割法がわかりやすく解説されています.
さて,私は本号の編集後記の執筆をもって編集委員長ならびに編集委員としての職責を終了致します.本誌の編集室から,新たに編集委員長制度を発足したいので平成23年1月から3年間編集委員長に就任するようにと要請されて,はやその任期が終了しようとしています.伝統ある本誌の質の向上,時流に対応した内容の充実をはかり,広く読者に愛される医学雑誌にすることが責務でありました.13名の編集委員の先生方からは,新しいアイデアを多数いただき,いくつかの連載が実現致しました.「教訓的症例に学ぶシリーズ」,「手術に必要な基本的知識に関する疾患別シリーズ」,「合併症に関するレビューシリーズ」など,臨床の現場でただちに役立つ情報が簡潔かつ丁寧に記述されています.また,依頼原稿については,最適な執筆者の推薦をいただき,内容の充実に貢献いただきました.編集顧問・編集同人の先生方には,「扉」に見識ある貴重な御意見をいただきました.さらに,投稿論文についてもオンラインでの受付やカラー写真掲載の無料化も実現しました.これらは,すべて,編集委員,編集顧問,編集同人の先生方や本誌編集室の方々の御協力と御支援の賜物であり,ここに深く感謝申し上げます.私個人としては,「図説による手術のkey pointシリーズ」を実現できなかったことを残念に思っております.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.