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専門医試験を終えて大学へ行くと,本号の原稿コピーと今年のコングレスの期間中に行った「女性脳神経外科医との座談会」の校正刷が届いていた.小生にとって,女性脳神経外科医との座談会は大変印象深いものであったが,その中で,男性脳神経外科医の意識改革が必要であると思われた点について紹介する.女性には体力的なハンデイキャップがあるうえに,結婚,出産,育児という問題があるため,多少のサポート体制が必要であろうと思っていたが,出産前後の一定期間は別として,女性だからといって特別なサポートはしてもらわなくてもよいというものであった.それよりも,「男女の別なく,1人のtraineeとして教育してほしい」,「男性と対等に手術する機会を与えてほしい」,という意見を持っている人が多かった.結婚についても,independentに協同生活を送れるパートナーか否かを自分で判断して結婚しているので,特別な配慮は不要であるという意見があった.こうした意見を拝聴していると,脳神経外科に入局してきた女性たちは,男性よりも強い意志と覚悟のうえで一流の脳神経外科医になることを目指している人が多いのかもしれない.折りしも,この編集後記を書いている8月中旬は北京オリンピックの最中である.オリンピックのテレビ中継を見ていると,日本代表チームにおいては,男性よりも女性選手の活躍が目立っている.脳神経外科の領域でも,近い将来,女性の主任教授や部長がさらに増えて,女性の活躍が目立つようになるのであろう.
さて,本号の掲載論文の中では,総説「脳腫瘍におけるメチオニンPET」と症例「急性硬膜下血腫および脳内血腫で発症した外傷性硬膜動静脈瘻の1例」を興味深く拝読した.「脳腫瘍におけるメチオニンPET」では,メチオニンのみならず,FDGや18F-FMT,18F-FLTについてもわかりやすく解説されていた.「急性硬膜下血腫および脳内血腫で発症した外傷性硬膜動静脈瘻の1例」では,交感神経の走行に関する詳細な記述がなされており,勉強になった.
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