Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
術中VEPモニタリングによる視機能の温存―VEPに変化を来した手術手技の検討から
Preservation of Visual Function by Intraoperative VEP Monitoring: Consideration from Surgical Procedures Caused VEP Changes
佐々木 達也
1
,
西嶌 美知春
1
Tatsuya SASAKI
1
,
Michiharu NISHIJIMA
1
1青森県立中央病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Aomori Prefectural Central Hospital
キーワード:
visual function
,
visual evoked potential
,
intraoperative monitoring
,
surgical procedures
Keyword:
visual function
,
visual evoked potential
,
intraoperative monitoring
,
surgical procedures
pp.961-976
発行日 2013年11月10日
Published Date 2013/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102111
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Ⅰ.はじめに
視覚路に関わる脳神経外科疾患では,視機能の温存や改善が手術の重要な目的である.しかしながら,意に反して術後に視機能が悪化することも経験する.手術中に視機能の正確なモニタリングが施行できれば,視機能障害の回避が可能となり,術後の機能回復にも貢献できる.1970年代から光刺激による視覚誘発電位(visual evoked potential:VEP)の術中モニタリングが試みられてきた8)が,安定性に乏しく臨床的に有用とはいえなかった4).そこで,筆者らは新しい光刺激装置を作製し,網膜電図(electroretinogram:ERG)の同時記録を追加し,propofolを用いた全静脈麻酔を用いたところ,VEPの再現性は良好になり安定したモニタリングが可能となった5).本稿では,VEPに変化を来した手術手技を検討することにより,視機能の温存における術中VEPの役割や意義について述べたい.
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