Japanese
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連載 脊椎脊髄手術に必要な基本的知識
(1)神経学的診断法
Required Knowledge for Spinal Surgeon(1)Neurological Examinations
金 彪
1
Phyo KIM
1
1獨協医科大学脳神経外科
1Department of Neurologic Surgery, Dokkyo University Hospital
キーワード:
dermatome
,
deep tendon reflexes
,
nuchal pain
,
sagittal balance
Keyword:
dermatome
,
deep tendon reflexes
,
nuchal pain
,
sagittal balance
pp.807-815
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102079
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Ⅰ.はじめに―神経学的検査の重要性と,神経外科医の優位性
手術治療に本来の使命がある脳神経外科医が,外来あるいは病棟において神経学的診察を行う際には,限られた時間のなかで問題の本態を見極めることが必要である.例えば痛みの原因として,神経根の圧迫,癒着性変化―血流障害,末梢神経―糖尿病やビタミン欠乏による神経炎,脊髄の障害,視床などの中枢の障害を鑑別するのみでなく,筋骨格,関節の問題も検討しなければならない.運動障害についても同様である.運動,知覚症状全体にわたって鑑別診断を考え,中枢から末梢まで神経系全体に原因を検討できることが重要である4,6).このことは,とりもなおさず神経系が専門の外科医の優位性である.いわば神経外科医の本領であるので,この評価に熟達していることをわれわれは大切にしなければならない.神経学的診察により病態を考察し,そのうえで画像検査と電気生理学検査11)と照らし合わせて確認することを丹念に積み上げていくことで,病因に関して嗅覚ともいえる判断力を身に着けることができる.病態とは離れた訴えや所見,情報に惑わされない判断力を身に着けることは,心理的な修飾が大きいこの領域においてことに重要である.診断力はとりもなおさず適応判断に直結することであり,手術後に患者の満足度の高いよい結果を出すためにも重要である.
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