読者からの手紙
「柔道における重症頭部外傷」の論文(39(12):1139-1147)について--柔道事故予防に,脳神経外科医の火急の役割
藤原 一枝
1
,
永廣 信治
2
1東京都立墨東病院脳神経外科
2徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部情報統合医学講座脳神経外科学分野
pp.277-279
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101682
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教育基本法の変化に応じて,2008年度に改訂された新学習指導要領により,2012年4月から中学1,2年の男女(約240万人)に,武道が“必修化”される.武道(柔道・剣道・相撲)の選択は学校ごとであるが,既に7割程度が柔道を選択している.経験の有無を問わず指導は体育科教諭によるので研修があり,武道場の整備も進んでいる.
ところが,文部科学省外郭団体の日本スポーツ振興センターが1983年から集計している「学校管理下の死亡・障害」事例から,中学・高校でのスポーツ事故を解析した教育学者・内田良の研究(2010年)5)により,柔道による死亡が27年間に110例と多く,他のスポーツより死亡確率も高い,事故は初心者に多い,死因に急性硬膜下血腫が多く転帰不良であることが,“社会的に”初めて明らかになった.
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