Japanese
English
連載 先天奇形シリーズ
(2)小児脳神経外科領域における遺伝子診断
Congenital Anomalies in the Central Nervous System(2)Molecular Biology in Pediatric Neurosurgery
山崎 麻美
1
Mami YAMASAKI
1
1国立病院機構大阪医療センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery,Osaka National Hospital,National Hospital Organization
キーワード:
molecular biology
,
craniosynostosis
,
X-linked hydrocephalus
,
holoprosencephaly
,
lissencephaly
Keyword:
molecular biology
,
craniosynostosis
,
X-linked hydrocephalus
,
holoprosencephaly
,
lissencephaly
pp.65-77
発行日 2011年1月10日
Published Date 2011/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101326
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Ⅰ.はじめに
分子遺伝子学の進歩が,先天性疾患の臨床にもたらした意義は大きい.分子遺伝子学的診断が臨床にもたらす影響の程度から,次のように分けられる.すなわち①遺伝子診断の意義が臨床的に確立し,疾患の確定診断,保因者診断,出生前診断などに寄与しているもの,あるいは疾患の分類が書き換えられつつあるもの,②疾患の一部に原因遺伝子が同定され,病態解明や疾患分類に新しい知見を呈しているものの,臨床的には遺伝子診断の意義は未確立のもの,③まったく研究段階で臨床的な意義は未確立のものである.
小児脳神経外科領域の疾患で,遺伝子学的研究が進んだ疾患を上記にそって分類すると,①は頭蓋縫合早期癒合症,X連鎖性劣性遺伝性水頭症,滑脳症など,②は全前脳胞症,③はDandy-Walker症候群,脊髄髄膜瘤などである.
これらの疾患についての研究の成果と臨床上の意義などについて述べていく.平成22年(2010)度の診療報酬改定では,一部の先天性疾患の遺伝子診断や遺伝カウンセリング料は保険収載され,保険診療として認められるようになったが,小児脳神経外科領域の疾患はまだその中には含まれていない.
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