Japanese
English
総説
脳腫瘍と免疫
Brain Tumor and Immunology
梶原 浩司
1
,
吉川 功一
1
,
出口 誠
1
,
天野 貴之
1
,
坂 真人
1
,
鈴木 倫保
1
Koji KAJIWARA
1
,
Koichi YOSHIKAWA
1
,
Makoto IDEGUCHI
1
,
Takayuki AMANO
1
,
Makoto SAKA
1
,
Michiyasu SUZUKI
1
1山口大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery,Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
brain tumor
,
immunology
,
major histocompatibility complex (MHC)
,
tumor antigen
,
immune therapy
Keyword:
brain tumor
,
immunology
,
major histocompatibility complex (MHC)
,
tumor antigen
,
immune therapy
pp.125-133
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100885
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Ⅰ.はじめに
脳実質は従来,その解剖学的な特徴から,全身の免疫監視機構から隔絶された免疫学的隔離部位(immunologically privileged site)といわれていたが,1980年代後半以降,細胞分子生物学の発達に伴い,中枢神経系における免疫監視機構の存在が明らかになってきた.脳腫瘍においても腫瘍細胞に対する獲得性あるいは自然免疫応答や腫瘍抗原の解析が行われて,また一方で腫瘍細胞による免疫抑制機構の存在も知られている.これらの免疫機構の解析に基づいた脳腫瘍の免疫療法の開発研究もさかんに行われるようになり,脳腫瘍治療法としても今後の発展が期待される.本稿では,脳腫瘍と免疫に関して,中枢神経系における免疫監視機構の特殊性,脳腫瘍における免疫監視機構,その中でも特に脳腫瘍における腫瘍抗原の解析,脳腫瘍細胞による免疫抑制機構,脳腫瘍に対する免疫治療などについて解説する.
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