Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
Suction decompression法を併用した巨大・大型paraclinoid動脈瘤のクリッピング術―そのセッティングとクリッピング時の留意点
Clipping for Large and Giant Paraclinoid Aneurysm by Using Suction Decompression Method: Key Points at Setting and Clipping
伊達 勲
1
,
徳永 浩司
1
Isao DATE
1
,
Koji TOKUNAGA
1
1岡山大学大学院脳神経外科
1Department of Neurological Surgery,Okayama University Graduate School of Medicine
キーワード:
suction decompression
,
paraclinoid aneurysm
,
clipping
,
large and giant
Keyword:
suction decompression
,
paraclinoid aneurysm
,
clipping
,
large and giant
pp.135-146
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100886
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Ⅰ.はじめに
Paraclinoid動脈瘤は,一般に硬膜輪(distal dural ring)から内頚動脈後交通動脈分岐部までにneckが存在する動脈瘤を指すが6),大型(15mm以上)あるいは巨大(25mm以上)になる頻度が他の部位の動脈瘤より高いことから,治療困難な動脈瘤の1つと考えられている24,25).大型・巨大動脈瘤では,動脈瘤の圧を十分に減じるために,近位部の内頚動脈から血液を逆行性に吸引し,その間にクリッピングを行うsuction decompression法2,5,8,10,17,25)を併用することが重要な手術手技である.これにより,内頚動脈を形成しながらのクリッピングが可能となり,眼動脈の血流を温存し,視神経へのダメージも少なくすることができる.
筆者らは,これまで本法を併用しての巨大・大型paraclinoid動脈瘤のクリッピングを24症例に行い良好な成績をあげてきたので,本稿では,そのセッティングとクリッピング時の留意点を中心に解説する.
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