Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
頭頂葉腫瘍性病変の外科治療
Surgery of Parietal Lobe Tumors
西林 宏起
1
,
三木 潤一郎
1
,
山中 宏孝
1
,
上松 右二
1
,
板倉 徹
1
,
大沢 愛子
2
,
前島 伸一郎
3
Hiroki NISHIBAYASHI
1
,
Junichiro MIKI
1
,
Hirotaka YAMANAKA
1
,
Yuji UEMATSU
1
,
Toru ITAKURA
1
,
Aiko OSAWA
2
,
Shinichiro MAESHIMA
3
1和歌山県立医科大学脳神経外科
2川崎医科大学附属川崎病院リハビリテーション科
3川崎医療福祉大学感覚矯正学科
1Department of Neurological Surgery,Wakayama Medical University
2Department of Rehabilitation,Kawasaki Medical School,Kawasaki-Hospital
3Department of Sensory Science,Faculty of Medical Profession,Kawasaki University of Medical Welfare
キーワード:
parietal lobe
,
higher cortical function
,
awake craniotomy
,
glioma
Keyword:
parietal lobe
,
higher cortical function
,
awake craniotomy
,
glioma
pp.131-141
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100413
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Ⅰ.序論
悪性神経膠腫の基本的な治療指針は可及的に外科的切除を行い,放射線化学療法の後療法,維持療法を追加することである.一方で,個々の神経,高次脳機能をなるべく温存する合併症の少ない治療が求められており,近年,覚醒下手術による機能マッピングの有効性が報告されている4,28).これまでに運動,視覚,言語機能マッピング17,18)を併用した外科手術は数多く報告されているが,感覚障害,失行,失認などが起こりうる頭頂葉腫瘍の外科治療22),機能マッピング5,10,12,16,20,21)についての報告は少ない.頭頂葉のてんかん外科,腫瘍外科手術後に,皮質性の感覚運動障害や視野障害のみならず,失語や失認などが生じたという報告があること13,24,25)から,筆者らの施設では,言語機能に加えて頭頂葉機能の温存を目的に,覚醒下あるいは慢性電極留置による頭頂葉機能マッピングを追加し,その結果を皮質切開部位や摘出範囲に反映させている.今回筆者らは,頭頂葉腫瘍性病変に対する外科治療に必要な機能解剖に加え,頭頂葉機能マッピングを施行した自験例の知見について記述する.
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