報告記
第9回 国際脳血管攣縮カンファレンス報告記(2006年6月27~30日)
小野 成紀
1
,
伊達 勲
1
1岡山大学大学院脳神経外科
pp.952-953
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100284
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本学会(International Conference of Cerebral Vasospasm, ICCV)は1972年,ジャクソン(ミシシッピ,米国)で開催されて以来,ほぼ3年ごとに催されてきた脳血管攣縮に関する権威ある国際学会である.このたび,第9回ICCVがイスタンブール(トルコ共和国)にて2006年6月27~30日に開催された.今回主催の労をとられたのは,イスタンブール大学脳神経外科Talat Kiris教授(写真1)で,約1年前からのホームページの開設,オンライン・レジストレーション,ホテル予約,会場確保など用意周到に準備され,また,テロなどに影響されることなく,盛況な開会となった.
さて,開催地イスタンブールは黒海からマルマラ海(さらにエーゲ海へ続く)に注ぐボスポラス海峡の両岸にまたがる都市で,東京にも匹敵する人口1,300万のメガロポリスであることはあまり知られていない.海峡の両岸には世界遺産に指定された赤レンガと白壁に彩られた高級住宅が所狭しとひしめき合っており,オスマン朝の遺構である荘厳なイスラム建築の宮殿が景観に花を添えている(写真2).また,金角湾と呼ばれる入り江の南側にはビザンチン(東ローマ)帝国時代のキリスト教寺院や,オスマントルコ時代の巨大で流麗なモスクが見事な調和を保ちながら並んでいる.このあたりは周囲をビザンチン時代に築かれた城壁に囲まれたいわゆる“旧市街”と称せられ,世界遺産として観光のホットスポットとなっている(写真2).
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