特集 神経化学懇話会
主題I γ—アミノ酪酸の生化学
総括
塚田 裕三
1
1東邦大学
pp.525-530
発行日 1960年4月1日
Published Date 1960/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906371
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本日は,GABAの生化学というテーマにしぼりましたが,これはGABAについてはかなり多方面から研究されており,短時間のうちに全ての問題を扱うことが困難だと思われたがらであります。そして又,GABAの生化学的側面を,脳髄機能に興味をもたれる方々の集りで洞論することは極めて意義深いことと考えたがらでもあります。
まず,佐野助教授の御発言に対して一言ふれさせて頂きますと,Blood-Brauin-Barrierというものは,機能的なものであり,条件によつては機能的に変化しうる可能性があると思います。即ちある病的状態では,GABAも容易にBlood-Brain-Barrierを越えうるのかもしれないと考えられます。Towerの報告している臨床データーでもGABAを経口的に20g/dayという大量を投与してはじめてテンカン小発作が抑えられるといつておりますことからもBlood-Brain-Barrierの問題は興味ある課題と考えております。
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