Japanese
English
追悼 故 椿 忠雄院長を偲ぶ
告別の辞
In a sad farewell to a giant neurologist, Dr. Tadao Tsubaki.
豊倉 康夫
1
Yasuo TOYOKURA
1
1東京都老人医療センター
1Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
pp.183
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906176
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- Abstract 文献概要
椿 忠雄先生。かつて私どもは,どちらが先に逝っても,心の友として弔辞を読みあうことを確かめあったことがございました。ところが今,先生のお写真を前に,こんなにも早く,こんなにも突然にその日が参ろうとは,どうしても我と我が身を信ずることができません。誠に痛恨の極みです。無念残念です。そして,このいいようのない淋しさを,先生,あなたはわかって下さるのでしょうか。
40年近くにわたって,先生からいただきました暖かい友情とご指導を顧みますと,胸張りさける思いがいたします。しかし,終始先生の下で,我が国の神経学の歩みを体験して参った私どもにとりまして,先生の偉大なご生涯と先人未踏の業績をふり返ることは,門弟一同の大きな誇りとするところでもあります。私はこの数日,先生が以前おまとめになった珠玉の文集「神経学とともにあゆんだ道」を,再びつぶさに読ませていただきました。そこには,先生の長い間のご苦労,きびしい学問的姿勢と誠実で暖かいお人柄,終始患者の為に徹してこられた臨床医学者の姿がにじみ出ておりました。
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