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中枢神経系に散在する種々な神経細胞(ニューロン)は,それぞれ固有の刺激伝達物質を持っている。個々のニューロンがどのような伝達物質を持っているかを調べるために,従来物質そのものか,またはその生成酵素を,化学的にか抗体を用いて"染色"する組織化学的方法または免疫組織化学的手段が用いられてきた。しかし,これらの方法は神経系を広範囲に検索するのには便利であるが,異種の細胞間の比較や細胞の状態による伝達物質生成系の変化などの定量的解析には不向きであった。
一方中枢神経系は,ニューロン,グリア,毛細血管上皮細胞などが腹雑にからみ合って構成されており,脳全体やその一部をホモジナイズして分析の材料にしたのでは,これらの細胞の混合した性質しか知ることができない。そこでニューロン1個1個を取り出して生化学的な分析を行なう,微量技術と超微量測定法が工夫され,単一ニューロンの種々な性質が明らかにされてきた1,2)。本論文では,この微量技術を用い,筆者がここ数年にわたって開発してきた伝達物質生成酵素微量測定法によって,単一ニューロンのアセチルコリン(Ach)およびγ-アミノ酪酸(GABA)生成酵素活性を測定した最近の結果について述べる。
The freeze-dried cell bodies of spinal motor neurons, dorsal root ganglion cells and Purkinjc cells were isolated from seven species of vertebrates and weighed on a highly sensitive quartz fiber balance (sensitivity, ± 22 pg). The cell body samples weighed 1.65~3.43 ng dry weight.
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