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1.はじめに
大脳皮質感覚野の研究の重要なポイントはコラム構造にある。コラム構造とは,脳の表面に垂直な方向に似た性質の細胞が集まり,この性質が脳の表面に沿った方向で徐々に変わることを表現した概念である。大脳皮質視覚野においては,細胞のどんな性質が脳の表面に沿ってどのように変わるかについてはこれまでの研究でかなり明らかにされた。視覚野の上には全体として視野が写像されていて,その一部をさらに細かく見ると,対応する視野上にある局所的な線分の傾きとこの入力の眼球優位性が部位表現されている3)。これらの脳の表面に沿った方向での構造の研究に比べ,脳の表面に垂直な方向での構造,言い換えれば一つのコラム中の構造の研究は著しく遅れている。視覚野の細胞は点や円には反応せずに,特定の傾きを持ったスリットまたはエッジに対して選択的に反応するが,一つのコラムの中の細胞は同じ傾きの線分に対し選択的に反応し,左右のうちどちらか同じ目から優勢に入力を受ける。受容野の性質のうちこの2点では共通しているが,受容野のその他の面では大きな多様性を示す。最も大きな違いは単純型と複雑型と呼ばれる2型の受容野の間に見られる。単純型の受容野はスリットを提示したときにインパルスを生じるオン反応野とスリットを消したときにインパルスを生じるオフ反応野に分かれ(図1A参照),したがって単純型細胞の反応はスリットまたはエッジの位置に特異的である。
Abstract
Neuronal circuitry in single or nearby several columns of the cat visual cortex (area 17) was studied by using the cross-correlation technique.
Geniculate inputs in cortical cells Extracellular recordings were made simultane-ously in the lateral geniculate nucleus and in area 17, and neuronal connectivity between a geniculate cell and a cortical cell was examined in cross-correlograms of their impulse discharges. Out of 243 pairs with overlapping receptive fields, 82 showed delayed positive correlations.
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