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特集 第17回脳のシンポジウム
神経組織培養とその応用
臓器培養による神経組織内狂犬病ウイルス増殖の研究
Rabies virus replication in organized cultures of mammalian neural tissues
松本 清一
1
Seiichi Matsumoto
1
1京都大学ウイルス研究所
1Institute for Virus Research, Kyoto University
pp.1132-1134
発行日 1982年12月10日
Published Date 1982/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905461
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中枢神経組織を最終的標的臓器とするウイルスは多い。この場合標的細胞となる神経細胞は最も分化した細胞で再生能力を欠くので,これらウイルス病の多くは臨床症状が進行性で致死的であり,医学的に重視されてきた。遅発性ウイルス病(slow virus infecction)への深い関心もまた同じ理由によるところが大きい。
これらの向神経性ウイルスの知見の多くは他種のウイルスの場合と同様に動物実験によらず,むしろ単純化された非神経性細胞培養系を使って蓄積されてきた。この方法によって基礎ウイルス学的な研究は大いに進んだが,病気としての研究は宿主の複雑さからくる技術的困難のゆえにそれほどの進歩はない。この状況は一般動物ウイルス研究にもあてはまる。
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