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はじめに
神経細胞は,神経管の壁を構成する上皮性の細胞(マトリックス細胞)から発生する11,12)。マトリックス細胞は,神経管の中で上下に移動するエレベーター運動を繰り返しながら分裂増殖し,分裂能力を失った後,神経芽細胞となる。この神経芽細胞は,活発な代謝活動を行なって,その目的とする終末部位に向かって神経線維を伸ばしながら分化していぎ,成熟した神経細胞となる。この神経細胞は,自らが形づくった複雑な回路網において,的確で合目的的な情報の処理伝達を行なうが,その手段の一つとして活動電位を発生する。このような神経細胞の電気的興奮性が,その分化の過程の中でどのように獲得されてくるかを知ることは,成熟神経細胞における膜興奮の機序を解明するうえで,非常に重要である。また,活動電位そのものが神経細胞内の代謝過程に影響を及ぼしている可能性があり,神経細胞の分化の本態を把握するためにも有意義であると思われる。
embryonicな動物から取り出して培養された神経細胞は,形態的にin vivo神経細胞と同様の分化をすることは,早くから知られてきた16,41)。また,培養された神経細胞は,位相差顕微鏡下で生きた状態のまま観察できるため,形態的な裏づけのもとにその機序を調べることができるという大きな利点を持っ。
Abstract
The culture systems of nerve cells are ideally suited to the detailed tracing of the development of excitable membrane. It is known that the bioelectric properties of the dorsal root ganglion (DRG) cells have changed in parallel with the morphological development. The resting membrane potential has increased while the specific membrane resistance has decreased during cell differentiation. A gradual increase in the resting potential is also observed in developing statoacoustic ganglion (SAG) cells in culture.
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