Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
神経細胞は複雑な形状の樹状突起を拡げ,長くしかも多方向に分枝を出す軸索突起を持つなど,他の種類の細胞には見られない入り組んだ構造を有している。この複雑な構造を支えるものの一つとして細胞内骨格と呼ばれる数種類の線維群より構成されている細胞内構造が知られるようになってきた。神経細胞の細胞内骨格を作る線維には現在主なものとして3種類の異なった種類のものがわかっている。その第一は直径約25nmを有するマイクロチュブルスと呼ばれる線維であり1〜4),αならびにβチュブリンと名づけられる蛋白分子のポリマーである。この線維はコルヒチンなどvinka alkaloidによって特異的に脱重合を受け壊される。第二の線維はマイクロフィラメント5〜7)と名づけられる,直径5〜6nmの線維であり,アクチンの重合したものである。この線維はサイトカラシン類によって特異的に脱重合を受け,分解される。第三の線維群はニューロフィラメント8〜10)(他の種類の細胞では中間線維と名づけられている)と呼ばれ,直径約10nmの線維であり,3種類の異なった蛋白分子が重合したものである。これを脱重合する薬物は今のところ知られていない。
これら細胞内骨格線維は細胞の構造や機能に非常に重要な役割を果たしていることが次第に明らかになってきた。しかしながら,それらの線維群と,膜の中にある蛋白分子との関係はいろいろ推定されている11〜15)もののはっきりしない点が多い。
Abstract
This paper reports some experimental evidence which suggests specific molecular interaction be-tween cytoskeletal filaments and Na, Ca channels in plasma membrane of tissue-cultured nerve cells (Fukuda, J., Kameyama, M. and Yamaguchi, K. Nature 294, 82-85). Nerve cells isolated from dorsal root ganglia of adult guinea-pigs by colla-genase were grown on collagen-coated plastic dishes in an artificial medium. The nerve cells survived in vitro for more than 2 months.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.