研究
子宮における興奮の発生と伝播
井上 正二
1
Masaji Inoue
1
1京都府立医科大学産婦人科教室
pp.899-905
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203796
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はじめに
産科臨床において子宮収縮あるいは陣痛を正確に把握する必要があることはいうまでもない。この問題に関する従来の業績はきわめて多数にのぼるにかかわらず,現在なおそれについての基礎的知識ははなはだ不十分で,産科学の進歩を遅らせる主原因となつている。その基礎的知識の不完全は子宮筋を含めて平滑筋の機能が骨格筋および心筋に比べ多様性を示すことに基因するのであるが,近年細胞内電極法等の研究の進歩により,しだいにその一端が明らかにされはじめている。そこでこの問題に関する多数の業績のうちで最も重要な問題である興奮の発生および伝播,すなわち興奮がどこでどのように起こりどのように伝わるかの問題にしぼつて綜説を行ない,現在までの研究業績をふりかえつてみたいと思う。
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