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I.はじめに
ヒトにみられる疾患・異常の形態形成機序および機能についての研究は直接ヒトについて行ないうるものと,行ないえても経費,時間などの点から容易でないもの,さらに行ないえないものとがある。行ないえても容易でないもの,および行ないえないものについては実験動物によるモデル動物を使用して研究する手段がある。
中枢神経系は諸器官のうちで胎生期に最も早くその形成が始まり,発生の経過はきわめて速,かつ複雑なゆえに容易に発生障害に陥り,死産あるいは生後間もなく死亡するものから,生存しても発達障害☆としてまず例外なく医療・療育の対象となるところに重大な意義がある。ここにはそれら問題になる脳発育障害のモデル動物を胎生期のX線照射によって得,それを使用して研究が行なわれている状況を過去の回顧も含めて述べる。ただし脳の発育は出生後のある時期まで継続し,その障害も発育に伴なって起こる場合もあるが,X線照射によってモデル動物をつくりうるのは胎生期に障害を与えた結果に限られている。
Abstract
Since the discovery of the roentgen-ray, various studies have been conducted on the effects of X-irradiation upon the intrauterine development in experimental animals. Among them, adult animals prenatally irradiated have served as animal models for developmental disturbances of the brain. Animal models should be produced which correspond to significant disorders of the CNS such as hydrocephalias and microcephalias. Incidence of these two disorders is usually high among developmental disturbances of the brain.
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