Japanese
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展望
精神科治療における血中濃度測定の意義—抗てんかん薬の治療有効濃度
Clinical Significance of Therapeutic Serum Concentration of Anti-epileptic Drugs
清野 昌一
1
,
宮本 侃治
2
Masakazu Seino
1
,
Kanji Miyamoto
2
1国立療養所静岡東病院
2国立神経センター代謝研究部
1National Institute of Epilepsy-Shizuoka Higashi
2National Musashi Research Institute of Mental and Nervous Diseases
pp.489-493
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202759
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Ⅰ.治療有効濃度の位置づけ
正常の大脳がてんかん源性を獲得していく過程は,kindling preparationにおいて部分発作から全汎発作に進展する各段階によく表現されているものと思われる。この慢性実験では,電気刺激の強さを後発射を生ずる必要十分な程度に定めてある。刺激を連日反復すると,臨床発作は刺激回数に応じて連続的に開発されるのではなく,扁桃核では刺激の同側に向かう部分発作から両側ついで向反発作に転ずるように4〜5段階に区別される発作型が階段的に進展して,最終的な全汎けいれん発作を獲得するに至る。刺激を加えることなく自然に全汎けいれんが起きてくる場合もある。
このkindling preparationを部分てんかんの2次性全汎化発作のひとつのモデルと把えることができる。この際,一定の刺激条件のもとで階段的にすすむおのおのの発作段階(stage formation)は,けいれん発作の閾値が階段的に下がる過程を示している。けいれん発作が自然に起きる際の発作閾値は勿論0である。
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