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I.はじめに
ひとの中枢神経系の器官および組織の発生過程を考える上で,さまざまの奇形形成について検討することはきわめて重要であることはいうまでもない。中でも小多回(Mikropolygyrie)あるいは厚回(Pachygyrie)は細胞遊走および回形成の機序(Migrations-und Gyrifikations-mechanism)との関連で貴重な示唆を与えることが多い。これらは大脳および小脳の皮質構造に最も顕著に認められるが,近年その他の部位での小多回あるいは厚回の存在が注目されている。すでにGross1),Jacob,Murofushi2)は小脳歯状核の回形成の異常に対してDentatummikropolygyrieあるいはDentatumagyrieの名で呼称している。また下オリーブ核においても回形成の異常が認められ,蛇行帯状を示さず,ずんぐりと馬蹄状の構造をもつ下オリーブ核(Olivenpachygyrie)が,今までいくつかの例で報告されている。しかも歯状核と下オリーブ核のそれは,同一例でしばしば合併して現われることも着目されている(Jacob, Murofushi)。
An autopsy case of microencephaly (740g), 23 years old female with severe mental retardation and physical disturbance, was studied.
The characteristic features of neuropathological findings were midline anomalies, which were the total agenesis of the corpus callosum in the cerebrum and the partial agenesis of the cerebellar vermis.
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