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特集 日米合同セミナー—学習と行動の神経生理学的基礎
遅延強化によるスイッチ切り行動の抑制
Suppression of Switch-off Behavior induced by delayed Reinforcement
中尾 弘之
1
Hiroyuki Nakao
1
1九州大学医学部精神科
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.26-32
発行日 1971年6月30日
Published Date 1971/6/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904687
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序言
オペラント反応を餌によつて強化する報酬学習では,強化の方法は2つの観点から幾つかに分類されている9)。1つは反応と強化の回数的対応による分類である。これもさらに二大別できる。すなわち,反応があるごとに強化があたえられる連続強化と,強化される反応と強化されない反応が混つている間歇(部分)強化である。間歇強化には,時間の要素が関係する定期(周期的)強化と不定期(非周期的)強化,および反応回数が関係する定率強化と不定率(乱率)強化,或るいは時間と反応回数が組み合わさつたもの,例えば或る反応頻度のときにのみ強化があたえられる頻度差別強化などがある。ところで不快事態が取り去られることが強化となる回避学習,あるいは逃避学習では,強化があたえられない反応,すなわち,電撃などが中止されない試行は,実際にはおこなえないので,これらの学習では間歇強化はおこなわれない。
脳幹刺激によるスイッチ切り行動も,その強化の原理は逃避学習と同じであり,スイッチ切り行動では間歇強化はおこなえない。
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