Japanese
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特集 てんかん
てんかんの直流電位
DC potential studies in epilepsy
真柳 佳昭
1
Y. Mayanagi
1
1東京大学医学部脳神経外科
1Dept. of Neurosurgery, School of Med., Univ. of Tokyo
pp.611-623
発行日 1968年10月25日
Published Date 1968/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904532
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I.緒言
脳の直流電位,DC potcntialの歴史は古い。1875年,R. Catonによる脳の電気現象の発見を初めとして,脳の電気生理学の研究は,実は,DC PotCntialの測定から始められたということも出来る。しかし,1929年H. Bergerによる脳波の発見および1934年,E. D. Adrianによる再発見以来,今日にいたる脳波研究の華々しい発展に比べると,安定した増幅のむずかしい直流電位の研究は常に何歩もその後を歩んできたのである。
てんかんの直流電位に関する系統的研究は,1950年代にようやくGoldring,O'Learyらによつて始められ,その後も諸家により数多くの研究発表が行なわれているが,多くは実験的研究であり,臨床的研究は極めて少ないのである。本稿は,教室で行なつているてんかんの直流電位に関する臨床的研究について主として述べ,諸家の研究にも簡単に触れたい。
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