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特集 第4回神経化学懇話会
脳の特異物質
二,三薬物の脳内注射によつて発現する症状と脳グルタミン酸代謝
Glutamic Acid Metabolism in Brain and the Symptoms Manifested by Intracerebral Injection of a Few Drugs in Mice
斉藤 章二
1
,
徳永 友喜子
1
,
多田 穣
1
Shoji Saito
1
,
Yukiko Tokunaga
1
,
Minoru Tada
1
1慶応義塾大学医学部薬理学教室
1Dept. of Pharmacology, Kcio Univ., School of Medicine
pp.553-556
発行日 1962年9月25日
Published Date 1962/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903983
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われわれのこれまでの研究によつてつぎのことがわかつてきた。(1)非痙攣量及び痙攣量のpicrotoxinによつて,興奮状態の発現しているとき,とくに痙攣準備時には,脳各部分のglutamine酸代謝系物質の減少を認め,(2)picrotoxin或はstrychnineによる痙攣発作時には,脳各部分のamino酸は,変化しなくなり,そしてpicrotoxinによる興奮或は痙攣発生後鎮静状態を招来するが,その際には却つて脳amino酸は増加する傾向を認めた。(3)また比較的大量のmorphineと比較的少量のmorphineでは,脳amino酸の変動が正反対となり,前者の場合増加,後者の場合減少した。(4)barbiturateでは,一般的に,脳各部のamino酸のうちglutamine酸およびGABAの濃度の増加を認めた。(5)phenobarbitalの前処置によるpicrotoxin痙攣の予防されるさいの脳各部分のamino酸のうち,間脳部分および中脳延髄部分のglutamine酸およびGABAの濃度が薯明に減少し,picrotoxinによる痙攣誘発のさいには,両濃度の50%以上の減少を必要とすることを知つた。
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