Japanese
English
一般演題
脳切片におけるアミノ酸の能動輸送—特にGABA取り込みの局所的特徴について
The Active Transport of Amino Acids in Brain Slices of the Guinea Pig, with Special Reference to Regional Differences in the Accumulation of GABA
中村 陸郎
1
,
永山 素男
1
,
秋元 波留夫
1
Rikuro Nakamura
1
,
Motowo Nagavama
1
,
Haruo Akimoto
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Department of Neuropsyehiatry, Faculty of Medicine., University. of Tokyo
pp.541-547
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904215
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Sternら1)の報告以来脳切片によるアミノ酸輸送の研究は主として大脳皮質の切片のみを用いて行なわれてきた。しかし脳組織は神経細胞のみならずその種々の突起や種々の神経膠細胞から成りたつており,大脳皮質の切片からの結果からだけでは脳におけるアミノ酸輸送の機作を十分に知ることはてきない。また,高等動物の中枢神経系では組織解剖学的にも生理学的にも生化学的にも局所的に多様性を有することがよく知られている。こうした点から脳切片によるアミノ酸輸送の問題を脳内の様々の部分の切片について,検討することが必要と思われた。そこで回は,特にモルモットの脳の3つの部位―大脳皮質,視床四丘体部,皮質下白質―の切片によるγ-アミノ酪酸(GABA)やL-グルタミン酸など6つのアミノ酸の取り込みについて研究を行なつた。試みた6種のアミノ酸のうちで特にGABAが視床四丘体部の切片により大脳皮質のそれよりもいちじるしく取り込まれることが明らかとなつたのでこの論文では特にGAB-Aについての結果を中心に報告する。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.