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特集 第4回神経化学懇話会
脳の機能と代謝
運動その他による体液遊離アミノ酸クロマトグラムの変動
Studies on the Changes of Free Amino Acids Chromatograms of Body Fluids by Bodily Excercises
竹原 一雄
1
Kazuo Takehara
1
1名古屋大学環境医学研究所
1The Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University
pp.710-716
発行日 1962年9月25日
Published Date 1962/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904009
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体液の遊離アミノ酸は,クロマトグラフィーの普及に伴つて,広く研究せられる様になつた。中でも,尿及び血漿アミノ酸は,最も古くから研究せられて思る。正常人の尿中遊離アミノ酸は,C. E. Dent1),W. Frankland Dunn,M. S.,2)S. W. Hier5),H. Harris and Datta,S. P. 3)4)等を始めとして,多くの研究者により炉紙クロマトグラフィーを用いて研究せられた。本法により,正常人の尿中に排泄せられるアミノ酸の同定が屡屡報告せられている。即ち種類としては,アラニン,グリシン,シスチン,グルタミン酸,ヒスチジン,ロイチン,スレオニン,バリン,メチオニン,トリプトフアン,セリン,グルタミン,タウリン等が,多くの報告に挙げられている。然し研究者により,同定せられたアミノ酸の種類も多少異つている。又正常人の尿でも,アミノ酸の種類及び量に於て,個人差が大きい事は,以上の研究者によつても認められて来た。此の差違に就て,腎臓の源過及び再吸収機能の個体差としての観点もある7)8)。又蛋白及びアミノ酸代謝の個体差と考える見方もある7)8)。遺伝学的に注目せられる尿遊離アミノ酸排泄の一群もある。β-アミノイソ酪酸尿症,アルカプトン尿症,Fanconi症候群,チスチン尿症等は,遺伝学的に研究せられ,それぞれ遺伝原に結びつけて説明せられて居る。
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