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I.はじめに
Phencyclidineの誘導体で非バルビタール系の短時間静脈麻酔剤であるketamine(CI-581;2-(O-chloro-phenyl)-2-methylamino cyclohexanone HCL)(図1)は,その作用持続時間が短時間であり,かつ麻酔中に特異な夢様体験を示す点で最近注目されている(Dominoら6),1965;Corssen and Domino3),1966;橘ら28),1966;Miyasaka and Domino17),1968)。
この夢様体験は,本薬物によって麻酔を行なった症例のうちかなり多数に出現するといわれている(Corssenら4);橘ら28))が,この体験についてのくわしい検討は行なわれていなかったので,最近著者ら23)(1971)は正常被験者に本薬物を静脈注射したさいに生ずる自覚的体験を,脳波その他のポリグラフィ記録と対比しながらくわしく分析した。その結果ketamine静注時の体験には麻酔導入期の体験とその後に生ずる本格的夢体験とがあることがわかった。しかし,ketamineの中枢神経系に対する作用機序についてはいまだ不明の点が多く,その作用機序が明らかにされるならば夢の精神生理学的研究にも寄与するところが大きいと考えられる。
A neurophysiological study of the action of ketamine hydrochloride, a chemical derivative of a psychotomimctic chug phencyclidine, on thecentral nervous system was performed by intravenous administration.
1) Twenty two adult cats carrying chronically implanted electrodes were used.
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