学会印象記
第30回日本顔面神経研究会学術集会
栢森 良二
1
1帝京大学リハビリテーション科
pp.1386-1387
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101123
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第30回日本顔面神経研究会学術集会が2007年5月30日(水)~6月1日(金),名古屋市立大学耳鼻咽喉科教室の村山信五教授の会長のもと名古屋市立大学病院大ホールで開催された.本学会は,1本の脳神経を対象として耳鼻咽喉科,形成外科,脳神経外科,神経内科,麻酔科,リハビリテーション科など複数の臨床家と解剖学,生理学などの基礎医学研究者が一同に集い,討論するという特徴がある.
研究会は通常2日間であるが,第30回という節目の記念集会であることから,今回は前日も使って徹底的に外科的および形成外科的治療について討論を行った.第1日目の手術手技セミナーでは,柳原尚明先生(愛媛大学耳鼻咽喉科名誉教授)は「側頭骨内顔面神経減荷術の意義」で,ヘルペス性顔面神経炎に対して顔面神経管を手術的に開放し,さらに神経鞘を切開し圧迫から開放することが合理的な治療法であることを強調した.手術の適応,手術時期,減荷の範囲,手術手技について研究の余地を残している.欧州で受け入れられているが,米国ではあまり受け入れられていない.したがって,ヘルペス顔面神経炎に対する減荷術に関する論文はほとんど受理されないという.
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