Japanese
English
第3回神経病理懇話会 主題 脳腫瘍
〔主題講演4〕脳腫瘍の電顕像
Electron Microscopic Studies of Brain Tumors
小泉 準三
1
Junzo Koizumi
1
1千葉大学医学部神経精神科学教室
1Department of Neuro-psychiatry, School of Medicine, Chiba University
pp.61-84
発行日 1963年1月25日
Published Date 1963/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901950
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒論
1947年にFernández-Morán1)('47)は電子顕微鏡(以後「電顕」と略記する)を用いて初めて脳腫瘍を観察し,astrocytoma,glioblastoma,medulloblastomaなどにっいて報告しているが,当時は電顕技術が未発達のため,細胞の微細構造については記載されていない。電顕技術の進歩に伴なつて本格的に脳腫瘍の電顕的研究が行なわれるようになつたのは1958年頃からであるが,まだ報告例も少なく,十分な検索がなされていない。
文献的に従来の脳腫瘍電顕研究の主なものを概観すると,まず脳腫瘍細胞に関するものとしては,1958年にLuse6)('58)はastrocytoma,malignantastrocytomaなどのneoplastic astrocytesの超微細構造について検索し,主として,normal astrocyteやreactive astrocyteとの比較研究について報告している。1959年に角田16)('59)は星膠細胞腫,乏突起細胞腫,室上衣細胞腫,良性海綿芽細胞腫,悪性海綿芽細胞腫,神経鞘腫などの腫瘍細胞像を報告している。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.