Japanese
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特集 第1回神経病理懇話会
〔特別講演〕日本脳炎について
Über Encephalitis japonica
林 道倫
1
Dorin Hayashi
1
1林精神医学研究所
1Psychiatric Institute
pp.49-52
発行日 1960年10月30日
Published Date 1960/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901809
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なんとなく皆様の顔を久しぶりで拝みたくなりまして,岡山からフラフラと出て参りましたところ,早速秋元先生に掴まつてしまい,いい恥さらしをすることになつてしまいました。なにかお話申上げるところですが,余り手前味噌ばかり並べてはいけませんので,丁度私の研究所に長く研究しておりました菅野一君の論文の下書きに,去年の春多少手を加えました関係もありますので,今日は私自身も手がけた脳炎について,一寸お話したいと思います。
ところで脳炎のことは解つているようで,どうも解つていない,ということを私はまず感じます。例えば,日本の脳炎というものと,外国の脳炎との違い,もつとも外国の脳炎といつてもいろいろありましようが,まずヨーロッパのEncephalitislethargicaとか,或はEncephalitis epidemicaというものと,日本の脳炎とどう違うか,ということです。脳炎といつてしまうと名は似ておりますので,日本のと西洋のと同じだ,という風にお思いこなつては,大した間違いで,全然別個の病気であります。こんなことは誰にでも分つているようで,案外分つていないのです。例えば西洋のEncephalitis epidemicaとか何とかいいますと,岡山にあるようなEncephalitis epidelnicaであると思つておいでになる方が多いが,そんなことはないのです。
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