特集 小脳
脊髄小脳変性症の臨床知見補遺(自験28例を中心に)
椿 忠雄
1
,
冲本 京子
2
1東大脳研究所
2東大冲中内科
pp.622-630
発行日 1959年4月20日
Published Date 1959/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901697
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しばしば遺伝性又は家族的に発現し,小脳を始め脳幹及び脊髄の変性を示す疾患は極めて数多い。これら一群の小脳疾患を分類することは古来大きな課題の1つとなつているが,現在の所,臨床的,又は病理解剖学的のいずれの立場に立つても完全な分類はない。実際に,分類された疾患相互の間には移行型,混合型と考えられるものもあり,又例えば,1家系内に2つ以上の異つた疾患の型があらわれることもあり,各々の疾患型が完全に別個のものとはいえず,脊髄小脳変性症(spinocerebellar degenerations)とか遺伝性運動失調症(hereditary ataxia)とかいう一括した名称がしばしば用いられている。遺伝性運動失調症の代表的病型は,一般にFriedreich病及び小脳性遺伝性失調症(Pierre Marie)が考えられているが,臨床的及び病理学的に近似した所見を呈する疾患は其他に数多く,例えばGreenfield1)が脊髄小脳変性症に分類した疾患は次の如きものを含んでいる。
A・Predominandy Spinal Forms.
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