Japanese
English
検査
脳検査
Survey of Neurological and Neurosurgical Examinations
佐野 圭司
1
Keiji Sano
1
1東大脳神経外科脳研
1Dept. of Neurosurgery & Brain Inst., Univ. of Tokyo
pp.337-369
発行日 1957年10月5日
Published Date 1957/10/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901599
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脳検査というのは奇妙な課題である。脳の器質的疾患時に行う臨床検査という様な意味であろう。そう解釈してその大要を以下に述べる。脳疾患の診断に用いられる検査法はこの30年ばかりの間に急激に増加した。すなわち気脳撮影,脳室撮影,脳血管撮影,脳波検査,筋電図検査,同位元素による診断法等々である。しかしながら診断にもつとも重要であり,本質的,決定的根拠を与えるものは臨床神経学的検査である。それ以外のものはすべてその補助診断法にすぎない。Cushingの様な脳外科医でさえかつて「われわれやわれわれの病院の助手たちが莫大な費用を払つて,試験をし観察をするのに用いられる精密器械の数はますます増えて来つつある。それらの大部分は,鋭い観察者が眼や耳や指や少数の簡単な器具を用いて行う細心の患者診察にとつて補助的なものにすぎず,後者に比肩できる何物もないのである。」と歎じた。以下に各々の検査法について略述し,さらに種々の症状あるいは症候群を呈する症例に接した場合にいかなる検査法を用いれば適確な診断に到達し得るか—いわば検査法の適応とでも云うべきもの—について述べようと思う。
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