Japanese
English
展望 解剖
外眼筋及び内眼筋を支配する核の局在
The localization of the nerve centers of the extrinsic and intrinsic ocular muscles
大谷 克己
1
Katsumi Ootani
1
1群馬大学解剖学教室
1Anatomical 'Department, School of Medicine, Gunma University
pp.141-146
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901527
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眼の運動を司る神経核に動眼(Ⅲ),滑車(Ⅳ)及び外転(Ⅵ)の3つの核があり,それらから出る神経根のうちⅥ根が外直筋に,Ⅳ根が上斜筋に,Ⅲ根が残る3つの外眼筋に至る事については今更ことわるまでもない。ところがこの事に関係して昔から今に至るもなお興味深く思われている事がある。それはⅥ核及びⅣ核がそれぞれ一つの外眼筋の支配核であるからには,残るⅢ核もあるいは5つの外限筋支配核に整然と分離されうるのではなかろうか,換言するとⅢ核はみかけ上一つに融合した複合核ではあるまいかという考えである。そこで筆者は,この問題が今日では一応どのように落着せしめられているかという事を知るために,一般の解剖学書や神経科あるいは眼科書を調べてみた。すると洋書,和書を問わずその殆どのものが第1図あるいはこれを骨子とした図によつて,Ⅲ核の前から後にかけて先ず上眼瞼挙筋,次に上直筋,三番として内直筋及び下斜筋,最尾部に下直筋の支配核がそれぞれ並び,内眼筋の支配核にはEdinger-Westphal核(E-W核)があるとしている。第1図は周知のように1918年にBrouwer3)が掲げた図である。従つて各眼筋の起始核及びその配列順についてはBrouwer説が最も信頼され,いはば定説をなしているようにみえる。
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