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はじめに
うつ病は,別名,感情障害とも呼ばれ,精神分裂病と並びもっともよくみられる精神疾患の一つである。うつ病の臨床特徴として,うつ症状の重症度に日内変動が見られること,毎年もしくは毎月の同一時期にうつ症状が再燃するタイプがあることなど,症状に周期性が存在することがよく知られている。現代のうつ病研究においても,その周期性に着目し,時間生物学の観点から病因,および治療に関する多くの研究がなされてきたうちで,近年,「季節性感情障害」(Seasonal Affective Disorder:SAD)の疾患概念(Rosenthal etal,1984)が大きな注目を集めている。SADは,季節依存性に,主として秋・冬期に気分障害が出現する特異な臨床経過を示すのに加えて,過眠,過食,炭水化物飢餓などのうつ病としては非定型的な症状を合併することが多いとされている(Garvey et al,1988;Rosenthal et al,1984;Thompson et al,1988)。さらに特徴的なのは,SADに対して3000~5000luxの高照度光照射,いわゆる高照度光療法(Bright LightTherapy:以下,光療法と略す)がよく奏効するということである。
Recent studies have revealed that bright light therapy (BLT) has a potent antidepressant effect on seasonal affective disorder (SAD). In this study, the clinical and chronobiological features of SAD were examined before and during BLT, and the etiology of SAD and the mechanism of BLT were discussed. Subjects and Method
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