Japanese
English
研究と報告
季節性感情障害の1例における神経生物学的検討
Neurobiological Examination on a Case of Seasonal Affective Disorder
中山 和彦
1
,
遠藤 拓郎
1
,
吉牟田 直孝
1
,
忽滑谷 和孝
1
,
田中 樹子
1
,
伊藤 洋
1
,
佐々木 三男
1
,
森 温理
1
Kazuhiko Nakayama
1
,
Takuro Endo
1
,
Naotaka Yoshimuta
1
,
Kazutaka Nukariya
1
,
Mikiko Tanaka
1
,
Hiroshi Ito
1
,
Mitsuo Sasaki
1
,
Atsuyoshi Mori
1
1東京慈恵会医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
Seasonal affective disorder
,
Phototherapy
,
Tryptophan
,
Premenstrual syndrome
Keyword:
Seasonal affective disorder
,
Phototherapy
,
Tryptophan
,
Premenstrual syndrome
pp.175-184
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903001
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【抄録】 軽度の月経前緊張症を呈する23歳の典型的な季節性感情障害の症例に,神経生物学的指標を設定して光パルス療法を実施した。その結果明らかな改善が認められ,いくつかの興味ある所見が得られたので報告した。
その中で神経内分泌の変動に注目すべき結果が認められた。まずうつ状態や過食などと関連が考えられる血漿中トリプトファン濃度について述べると,総トリプトファン濃度は一定であるものの,脳内に移行する遊離型トリプトファン濃度は病相期において有意に低下しており,また光照射によって明らかに増加することが認められた。一方,メラトニンの日内変動は正常であったが,分泌量が低下していた。TSHとプロラクチンは低値でしかも日内変動が不明確になっていた。またこれらの所見も光照射によってある程度改善された。
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