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はじめに
てんかんの診断にたいして脳波が本質的に重要な検査法であることは今日でも変わりはない。しかし,難治性てんかんに対する手術療法が行われるようになって,てんかん焦点部位同定のために種々の詳細な検査が行われるようになった。その中には頭蓋内電極による侵襲的な脳波検査も含まれるが,非侵襲的な検査法のみでてんかん焦点部位の同定が可能となれば,患者側,医療側双方にとって喜ばしいことである。非侵襲的なてんかん術前検査法として注目されているものの一つにPETやSPECTによる機能的画像診断法がある。本稿では難治性複雑部分発作を中心として,てんかん焦点検索に対する機能的脳画像診断法の意義について考えてみたい。
てんかん焦点検索に対するPETやSPECTによる機能的脳画像診断法には,エネルギー代謝(糖代謝と酸素代謝)の計測と,神経伝達物質の受容体結合能の検査がある。さらに最近は磁気共鳴を利用して脳実質内の化学的変化を検索する磁気共鳴スペクトロメトリー(MRS)およびそれの画像化(MRSI)がてんかん焦点検索法として用いられ始めた。また脳機能の賦活状態を画像的に表す機能的MRIのてんかんへの応用も試みられつつある。これらの現状について順次述べる。
Recent advances in the functional brain imaging in patients with intractable partial seizures were reviewed. A hyperperfusion area demonstrated by the ictal [39mTc] hexamethyl-propyleneamine oxide single photon emission tomography (HM-PAO SPECT) is the most reliable and practical method at present, delineating the epileptogenic zone congruent with that detected by extensive seizure monitor-ings including ictal EEG recordings with high sensitivity (72――93%) and accuracy (69――82%).
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