疾患の病態と治療 女性のバイオリズムとその異常
黄体のライフスパン—機能面から
雨森 良彦
1
Yoshihiko Amenomori
1
1日赤医療センター産科
pp.801-804
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205679
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黄体のライフスパンに関する研究の歴史をふりかえると,それは下垂体GonadotropinすなわちLuteinizing hormone (LH),Luteotropic hormone(LtH),また授乳に関するprolactinとの相関にはじまり,黄体機能が下垂体の制禦下にあるとされていたが,その退縮が子宮の存続と密接な関係にあることからluteolysinによるluteolysisが脚光を浴び,ついで20α—hydroxypregn−4—en−3—one (20α—OH-P)(Progesteron代謝の中間代謝産物)の生物学的意義が注目を浴び,さらにはProstaglandin(PGF2α)がかつての幻のLuteolysinそのものであることが解明されるにいたった1)。
紙面の都合上ここではPGF2αと黄体機能に関する文献的紹介にとどめたい。なお黄体機能不全また逆に存続黄体による子宮出血(irregular shed—ding)その他臨床的問題についてはまだ基礎的データーを応用するに至っていないので割愛し,今後の発展に期待したい。
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