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はじめに
失行症はLiepmann(1920)以来知られているように,主に頭頂葉を中心とした病変によって起きる行為の障害である。観念運動失行は左半球の下頭頂小葉前部の縁上回(ブロードマン40野)を中心とした病変で起きるとされ(Heilman, Rothi 1985),観念失行も頭頂葉から後頭葉へかけてのかなり広い領域の病変によるとされている。この他構成失行や着衣失行も頭頂葉の病変で起きる。失行症はもともと「運動機能そのものには異常がないのに目的に沿った熟練運動(行為)が遂行できない状態」と定義されているので知覚・認知系と運動行為系の連絡の障害によるものと考えられる。したがって頭頂連合野の破壊によっていろいろな失行症が起きることは,この領域で知覚系と運動系の連合または相互作用が起きている可能性を示唆している。
Various types of apraxias are known to be caused by the lesions of the parietooccipital cortex. We discuss the neural mechanisms of three major types of apraxias ; ideational, ideomotor and con-structional apraxias on the basis of our recent single unit analysis of the neurons of the inferior parietal lobule in alert behaving monkeys.
The basic assumption is that the apraxias are due to the lack of linkage between perception and action.
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