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特集 第28回脳のシンポジウム
3.視覚の生理学
3)高次視覚野の計算理論と生理学(抄録)
Computational theory and physiology of the higher visual cortex.
乾 敏郎
1
Toshio INUI
1
1京都大学文学部心理学教室
1Department of Psychology, Faculty of Literature, Kyoto University
pp.917-919
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900381
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I.大脳視覚皮質の計算理論
視覚のもっとも重要な機能は2次元に投影された網膜像から外界の3次元世界の構造を推定することにある。われわれはこの機能が正常に働いているがゆえに物体を手で操作したり,障害物を避けて歩くことが可能なのである。しかしこの問題は計算論的にはきわめて難しい問題である。すなわち,2次元の情報から3次元の情報を推定することは一般的には解けないからである。しかしわれわれの脳はこれを早くかつ正確に解いている。
川人と乾は,1990年に視覚大脳皮質の計算理論を提案している。彼らの理論の出発点は,以下に示すような一般化画像放射照度方程式である。
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