Japanese
English
特集 三叉神経―基礎と臨床
序文
Introduction.
中村 嘉男
1
Yoshio NAKAMURA
1
1東京医科歯科大学歯学部生理学教室
1Department of Physiology, Faculty of Dentistry, Tokyo Medical and Dental University
pp.713
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900361
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今や〔脳の時代〕といわれて久しい。記憶,認識,情動,随意運動などいわゆる高次脳機能に関連して,大脳皮質のニューロン活動を指標とする研究が活発に行われ,数々のすばらしい知見が続々と報告されている。その隆盛には目を見張るばかりである。しかし,これらの皮質機能は脳幹によって支えられていることを忘れてはなるまい。脳幹なくして脳の高次機能は語れない。大脳皮質でみられるニューロンの高次の統合機能の基礎にある脳機構の実体の研究において,次の発展段階では脳幹が必ずや主要なターゲットになるであろう。
また脳幹は,呼吸,循環などの生命維持に必須の多くの機能を遂行して,内部環境の恒常性の維持に不可欠の部位である。そればかりでなく,高次脳機能の表出としての行動に関しても,パタン形成および体性・自律系の協調において主要な役割を果たしている。
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