Japanese
English
特集 神経疾患の動物モデル―Transgenic Biologyの応用
疾患モデル動物の変遷―序論
Animal models for human diseases―Introduction.
杉田 秀夫
1
Hideo SUGITA
1
1国立精神・神経センター神経研究所
1National Institute of Neuroscience, NCNP
pp.5-9
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900104
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はじめに
近年,ヒト疾患のモデル動物は成人病や遺伝性疾患,なかんずく神経疾患の病因の解明と治療法の開発のために不可欠となり,より優れた適切な疾患モデルを得ることができるか否かが研究の成否を決めるといっても過言ではない。
図1に示されるように,通常の実験動物は正常ヒトの生理機能,免疫機構,生体防衛システムなどの解明に役立っている。しかしモデル動物の最も重要な用途はヒト疾患の病態,病因を解明するのに役立たせるためであり,病態モデルといわれる。従来,病態モデル動物の多くは家畜や実験動物に自然発症する突然変異体や異常系統動物が注目され,モデル動物の病態を精査することにより,ヒト疾患の成因,治療法,予防法などが確立された例も少なくない。すなわち,現象の類似性からヒト疾患の病態に迫る方法である。
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