特集 恐れず恐れよ!骨転移診療 超実践ガイド
Part3 病期からみた骨転移ケアの超実践
もう「痛み待ち」はやめよう!—連絡体制で実現する「先回り」の骨転移診療
天羽 健太郎
1
1聖路加国際病院整形外科
pp.436-438
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200335
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先回りするために
骨転移治療においてチーム医療が大切なことは、ここまでPart1、2を通して各著者が述べている通りである。骨転移という病態にひとりで立ち向かうことの問題や不安、解決策としての取り組みは各稿に譲るが、医療現場でチームが機能しないことは、結果として対応が後手に回り、患者の不利益につながる。後手に回った治療は選択肢が限られ、得てしてこれ以上問題を起こさないような消極的な治療となり、悪循環を起こす。
では、先回りの骨転移を実践するためにはどういったことが必要か。どの局面においても、まずは準備が大事である。患者に会う前に知っておくべき知識として、患者やがんによる骨転移のリスクがある。がん種や好発部位といった骨転移リスクを知っておくことは、患者と向き合う心構えを作る。そしてそのリスクをチーム内、および患者自身と共有することで、起こりうるSREに対して先回りできる。
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