連載 漢方のすゝめ—支持療法における処方の考え方[3]
科学的エビデンスに基づき処方が行なわれ始めた漢方薬—六君子湯
上園 保仁
1
1国立研究開発法人国立がん研究センター研究所
pp.154-157
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200270
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
第1回では、わが国におけるがん政策として、近年科学的エビデンスの得られてきた「漢方薬」を用いたがん支持療法が推奨されてきた経緯を紹介し、がん支持療法における漢方薬の重要性を示した。また第2回では、漢方薬として半夏瀉心湯を取り上げ、「合剤のなせる技—漢方薬の妙」として、構成される7種の生薬の全てが口内炎治癒に向かう合目的的なメカニズムを紹介した。
今回は、基礎および臨床研究も最多であり、“なぜ効くのか?”の作用機序、“本当に効くのか?”の臨床研究に支えられ、がん患者の食欲不振、嘔気・嘔吐作用の改善に用いられてきている六君子湯研究の最前線を紹介する。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.