連載 Art of Oncology[1]【新連載】
Medicine is an art based on science
日野原 重明
1
1聖路加国際病院
pp.94-96
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200014
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今般、医学書院から医学雑誌『Cancer Board Square』が発刊されることになりました。これから本誌が大勢の読者に支持されるようにと、“Art of Oncology”と題する連載コラムの第一走者(ファーストランナー)を私に務めるようにとの依頼がありました。医学書院は1966年に『胃と腸』という雑誌を創刊しました。これは順天堂大学消化器内科の白壁彦夫教授が当時画期的ともいえる“胃X線二重造影法”という早期胃がん発見に有効な診断技術を開発されたのが契機となったものでした。本誌も『胃と腸』にならい、がん診療に関わる多くの人たちに新しい知識の糧のひとつとなるよう手にしてほしいと願います。
先頃、国立がん研究センターは2015年にはがんと診断される人の数は年間98万2000人余にのぼるとの予測を発表しました。がんはいまやcommon diseaseのひとつとなっています。しかし、がんの特徴は肉体的、精神的、社会的苦痛つまり全人的苦痛(トータルペイン)を伴う病であります。したがって、それに関わる医療従事者はそれをしっかりと心得ていなければなりません。
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