Feature Topic がん診療のフロントライン—2020年から考える
伴走者という仕事。—2020年から「がんの看護」を考える
梅田 恵
1,2,3
1昭和大学大学院保健医療学部研究科
2昭和大学病院
3株式会社緩和ケアパートナーズ
pp.70-73
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200010
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
梅田 2020年というと東京オリンピックの年に何をしているか、を考えるのですね。来年(2016年)、がん対策基本法が10周年ですね。免疫療法もあるし自由診療も始まるかもしれない。その先にある2020年の医療、がんの世界は相当「すごいこと」になっているだろうと思うけど、じゃあ「ナースは?」って考えざるを得ないですね。
私はナースになって30年です。1990年の始めの頃、がんの分野に駆り立てられた一番の要因は、患者さんに告知をしないという現実でした。「なぜ、告知をしないのか。患者さんの自律が守られていないじゃないか……」と。昔は、本当に主治医の方針が第一でしたから、「がんの告知が大切」と考えていても、実際の状況の変化に看護師が介入して判断できる余地が見えなかった。もちろん誰かに責任があったわけではないですが、「結局、患者さんに悪い結果が及ぶんだから、言わないのは仕方がないな」ぐらいの時代でした。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.