Feature Topic がん診療のフロントライン—2020年から考える
「かかりつけ薬剤師」のいる社会をめざして。—2020年から「がんと薬剤師」を考える
濱 敏弘
1
1がん研究会有明病院薬剤部
pp.66-69
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200009
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がん薬物療法の変化に合わせて、薬剤師の仕事が変わった
濱 ここ10年でがんの薬物療法に対する薬剤師の関わり方は大きく変わってきました。これまでの抗がん薬治療は入院して行なうことが一般的でした。抗がん薬も注射剤が中心で、吐き気や感染などの副作用対策も今ほど多くの選択肢がなかったため、外来での対応は難しく入院する必要がありました。
それが最近では、新規抗がん薬の登場と、制吐剤や好中球数減少を抑える薬剤など抗がん薬の副作用を抑えるいわゆる支持療法薬の進歩もあり、外来でも抗がん薬投与が可能になってきました。加えて、これまでは注射剤中心だった抗がん薬も新しい作用機序を持つ経口剤が登場してたことで、がん薬物療法は、「入院から外来へ」、「注射剤から経口剤へ」という現在のトレンドが生まれてたと思います。
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