- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
病歴
患者:62歳、女性
主訴:右上肢に限局してきた間欠的な震え
患者背景:5年前pylori菌陰性の萎縮性胃炎、3年前メチマゾールによる治療(15 mgから漸減され1年前に終了)を受けたBasedow病以外の著患を知らず、レバミピド頓用以外の薬剤を使用していない62歳主婦。夫と息子との3人暮らし。自身は27歳で禁煙し、家族もタバコを吸わない。10年前までデパートで販売員をしていた時に機会飲酒をしていたが、以後飲んでいない。普段の家庭血圧は110/60 mmHg台。
現病歴:受診18日前に突然に発症し、15分ほど持続した四肢のふるえと収縮期血圧170 mmHgほどの一過性血圧上昇にて、同日と15日前に2回ERを受診。動悸や胸痛は伴わなかったが、13日前に心臓内科を受診して心電図・心エコーは正常で、10日前のHolter心電図も正常であった。以後、8日前・6日前には右上下肢が、3日前・前日と受診当日早朝(これまでも早朝4時頃が多い)には右上肢のみが2〜10分ほど震えた(同居の息子さんがスマホに収めた動画:下記のQRコードから参照)。意識は失わず、他の部分は正常に動かすことができた。初発日以降、音への過敏、咽頭異物感、食欲低下もきたし、ここ3週間で体重が47→45 kgと減少した。
陰性症状:悪寒・発熱、動悸・発汗、悪心・嘔吐、便通変化、浮腫、頭痛・頸部痛、胸痛、腹痛、背部痛・腰痛、霧視・複視・羞明、耳鳴・眩暈、嗅覚・味覚障害、構音・嚥下障害、ふらつき・歩行障害、四肢の筋力低下・感覚障害、排尿障害、立ち眩み、抑鬱気分、睡眠障害
初診時身体所見:体温36.7℃、血圧130/76 mmHg、脈拍数74回/分、呼吸数<16回/分、意識・認知・感情:正常、声・構音:正常、歩行:正常、口腔咽頭粘膜:正常、甲状腺:正常、神経学的診察:固縮・振戦なし、運動・感覚に欠落徴候なし
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.