特集 医師のウェルビーイング
【ウェルビーイングを支える産業保健】
❷産業医の役割—管理者として知っておきたいこと
小川 真規
1
1自治医科大学 保健センター
キーワード:
安全配慮義務
,
事例性
,
中立
,
人と仕事の調和
Keyword:
安全配慮義務
,
事例性
,
中立
,
人と仕事の調和
pp.700-703
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204843
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医療従事者は、さまざまな健康を脅かす要因に囲まれて働いている。どんな仕事でも有害要因がゼロという業種はないが、医療現場の有害要因は多いと言えるだろう。たとえば、針刺し、感染症といった生物学的因子、抗がん薬や有機溶剤といった化学的因子、重量物や放射線といった物理的因子、その他に患者を含む人間関係や交代勤務、長時間労働などの問題が挙げられる。また、有害要因以外にも、医療現場は、他の業種同様、高年齢者の活用などの課題も存在する。
健康を維持し働いていくには、これらの要因、課題をコントロールしていく必要があり、個人の工夫や努力は必要である。しかし、これら有害要因のなかには、個人のみでの対応では限度があるものもあり、そういった場合、組織での対応が必要となる。つまり、管理者が、個人任せのみにせず、組織としてスタッフの安全と健康を守るという認識が重要となってくる。
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