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特集 ひきこもりの理解と支援
ひきこもり問題の理解と支援・総論
Understanding and Support for Social Withdrawal: Introduction
近藤 直司
1
Naoji Kondo
1
1大正大学心理社会学部臨床心理学科
1Department of Clinical Psychology, Faculty of Psychology, Taisho University, Tokyo, Japan
キーワード:
8050問題
,
8050 problem
,
ピア支援
,
peer support
,
事例性
,
caseness
,
ひきこもりケースの包括的アセスメント
,
Global Assessment for Social Withdrawal
Keyword:
8050問題
,
8050 problem
,
ピア支援
,
peer support
,
事例性
,
caseness
,
ひきこもりケースの包括的アセスメント
,
Global Assessment for Social Withdrawal
pp.1437-1443
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206771
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抄録 精神医学において,ひきこもり問題に関する議論が活発化したのは2000年前後であり,1997年に「臨床精神医学」誌,2003年に「精神医学」誌において特集が組まれた。近年においては,「公衆衛生」誌や「こころの科学」誌などで特集が組まれている。
本稿では,まず学術誌の2000年前後の特集と近年の特集とを比較し,ひきこもり問題に対する問題認識や論点の変化について検討した。近年の特徴は,ひきこもりが,青年期に限らず,すべての年代にわたる課題として認識されてきたこと,専門的な相談機関と同時にピア支援活動が活発になっていること,必ずしも社会参加や就労を目標としない治療・支援が提唱されていることなどであった。
さらに本稿では,1960年代から精神保健福祉活動において提唱されてきた事例性概念を振り返り,いわゆる8050問題に求められるような多領域にわたるネットワーク支援における共通言語として,事例性概念が今なお有用であることを示した。
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